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芥川比呂志さん

2013.08.06.Tue.02:26
三女耿子さんのエッセイ『気むずかしやのハムレット』より。
芥川比呂志
(写真は『写真集 芥川比呂志』表紙)


彼女は僕より四つ年上
太って 愛嬌よく
そのくせ 時には ひどく不器用だ

彼女は愚かにも口紅をつける
眉ずみ クリイム お白粉
だが 遥かの暁の空を眺めて
ちょいと甘い感傷を弄んでゐるのは
素顔の彼女だ

せっかちで、陽気で 淋しがり屋
彼女の憧れは
空を飛び
一羽の美しい鳥になること
陽光の中で その羽並が 輝くやうな

若しも、あゝ 若しも そのやうな時が来たら
僕は野原にねそべりに行かう
空に唄ふ 彼女の声をきくために。
聞きながら、葡萄の実をしゃぶりながら
充たされた幸福にひたって ねむりこんでしまふために。


1937年12月24日、17歳の芥川さんは21歳の瑠璃子さん(父龍之介の姉の娘)と結婚。これは若い頃、芥川さんが彼女に贈った詩。

芥川さんは芸事一途の気難しやで、後年は病の苦しみもあって瑠璃子さんにきつく当たることも多かったそう。でも青春時代にはこんな詩を書いて贈っていた。従姉との結婚だし時代も時代だし、恋愛結婚ではなかったのかな?なんて思っていたんですが、そのままの君が一番良い、さらには君の歌声を聴きながら眠りたい、なんて最期の時を想起させるような詩を書くほどの思いが、芥川さんにはあったんだなあ…。耿子さんから見ても二人は「運命の結びつき」としか思えなかったそうで、芥川さんファンとしては、ちょっと妬けますです。瑠璃子さんにも著書が数冊あって、芥川さんのこと、叔父龍之介のことなど芥川一族について書かれているみたいなので、そちらもいずれ読んでみるつもり。
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