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すずかけの散歩道 1959

2013.07.21.Sun.06:48
すずかけの散歩道 1959 93 司葉子

監督:堀川弘通 製作:藤本眞澄、金子正且 原作:石坂洋次郎 音楽:服部良一
出演:司葉子、津島恵子、森雅之、笠智衆、杉葉子、太刀川洋一、青山京子、長岡輝子、多川譲二、星由里子、山田真二、賀原夏子、重山規子、富永ユキ他
製作配給:東宝 1959年1月9日公開 カラー72分

あらすじ:出版社勤務の香月久美子(司葉子)は長姉素子の嫁ぎ先である作家石丸市郎宅で暮らしている。石丸家長男の春雄は絵を描くことに青春を費やしており、進学を心配した母素子が家庭教師を探していた。その話を聞いた久美子の同僚野崎(太刀川洋一)が後輩の村瀬(山田真二)という男を紹介する。そんな折、久美子の次姉で今は専業主婦の高畠信子が暇を持て余しているので働きたいと相談に来る。同席していた野崎が軽くいなしたため信子は立腹するが、野崎が妹の洋品店に働き口を作ってくれ、何度か会ううちに二人は親密になっていった。久美子たちの上司で編集長の野呂(森雅之)は妻を亡くしており、久美子に出張中の留守宅を時々見てやってほしいと頼む。自分への気持ちの現れだと受け取った久美子は喜びを感じ、泊まり込んでの世話をすることにするが。
まず、Movie Walkerのあらすじが間違ってるので、見始めて数分は混乱して何度も巻き戻した。あらすじには久美子は石丸市郎の娘と書いてあったけど、映画を見ると久美子は市郎の妻の妹。ということで信子も、市郎の娘ではなく久美子の次姉。原作がそうなってたのかな。わかんないけど映画サイトのあらすじにはたびたびこういうことがある。

とりあえず司葉子が美しかったです。あとは、うーん…。
タイトルから、リリカルな感じを想像していたから…ちょっと違ったなあという感じ。

タイトルバックはすごく好みだったんだけど。

すずかけの散歩道 1959 3

この石畳の上で待ち合わせ⇒キスする恋人同士の足元から始まって、集まって遊ぶ子供たち、背広と着物で歩く老夫婦、てくてく歩いて行く幼稚園児、寄り添って歩く男女、、、と固定画面で石畳の上の人々を映し出すという趣向。そこに服部良一作曲宝田明歌唱『すずかけの散歩道』が流れていて、軽快でほのぼのとした雰囲気。こんな感じでお話も進んで行ってほしかった。

すずかけの散歩道 1959 6 司葉子 太刀川洋一

出版社で働く久美子(司葉子)と同僚の野崎(太刀川洋一)。野崎は久美子に石丸家長男の家庭教師として後輩を紹介すると言う。採用するかどうかを決めるのは義兄なのに私に紹介してどうすんの、と久美子は渋るが「こんにちは」だけでいいじゃんと野崎。

すずかけの散歩道 1959 7 司葉子

すずかけの散歩道 1959 8 山田真二

久美子の美貌に見とれる、野崎の後輩の村瀬(山田真二)。昔のジャニーズみたいなイケメン。

すずかけの散歩道 1959 9 笠智衆 賀原夏子 太刀川洋一 山田真二 多川譲二

村瀬はその後石丸家での面談であっさり採用となる。石丸家のインテリア、いいわあ。

場面は編集部に戻って、編集長の野呂(森雅之)登場。
野崎がこの機に石丸市郎の原稿を取ってくるという話について。

野呂「石丸さんの原稿はやっぱりあてにしない方がいいよ」
岩本「でも野崎さん自信があるって言うんですよ」
野呂「ふうん。石丸さんも貧乏生活して苦しんでやっていた時の方が、いいもの書いたねえ。モデル住宅みたいな家を建てて、幸福な家庭生活なんかに収まりこんでると、作品の質は低下する。はは、不思議なもんだ」

岩本(杉葉子)も久美子の同僚。背が高くてきりっとしてて、かっこいい美人な杉さん。声も大好き。

すずかけの散歩道 1959 12 司葉子 杉葉子

岩本「野崎さん石丸先生の原稿取ってきたら癪ね。あなたおんなじ家にいて、どうして書いてもらわないの?」
久美子「編集長、別にもらえって言わないもの」
岩本「言わなくたって欲しいに決まってるじゃないの」
久美子「欲しけりゃ取って来いって命令すればいいのよ」
岩本「あなたの義兄さんだからかえって気を使ってるところもあんのね。やっぱりアバン(アヴァン?)なんだな」
久美子「あたしアプレですからね。はっきりしないの嫌いよ」

すずかけの散歩道 1959 13 司葉子

アプレだねえ。しかしアバン(アヴァン?)て何だろ。アプレの対義語?

石丸家から野崎が戻ってくる。

野崎「今月いっぱいで短編一つもらうことにしてきました」
野呂「ほんとかい。そりゃ大成功だ。(煙草を一本勧めて)いや~石丸さんのはいくらケチをつけてもやっぱり売れるからねえ。ごくろうさん」

さっき酷いこと言ってたのに~w

野崎「(席に戻って久美子に)家庭教師の口決めてきたよ」
久美子「セールスマンの才能もあるってわけね」
野崎「うん。あんまり何でもできるから、嫁さんの来手がなくなっちゃうんだなあ」

ここで背後の女性までもがクスクス笑い出すのが楽しくて、何回も巻き戻して見ちゃった。

すずかけの散歩道 1959 16 笠智衆 賀原夏子 多川譲二 星由里子

石丸家の夕食風景。長男春雄(多川譲二)にちょっとエキセントリックなガールフレンドができて、それを楽しそうに聞く妹恵子(星由里子)、心配性でついガミガミ言う妻素子(賀原夏子)、黙々と食べている石丸市郎(笠智衆)。ダイニングのインテリアもおしゃれで、文化人の住宅って感じだ。

すずかけの散歩道 1959 20 森雅之 太刀川洋一

仕事帰りにバーでお酒と煙草を楽しむ二人。バーの雰囲気も画面の色合いもいいな~。そして森雅之かっこよすぎ。

すずかけの散歩道 1959 21 司葉子 森雅之 杉葉子 太刀川洋一

そこへ入稿を終えた久美子と岩本さんがやってくる。「お疲れさま」と迎える男性陣が、二人で居た席から立って女性陣を挟むように席を移動するんだけど、その移動が社交ダンスのステップみたいに悠然としていてうっとり。野崎と二人で話す時には野呂は若々しくガハガハ笑うけど、女性が入るとちょっと渋い初老の男の顔になる。若い世代にさりげなく距離を取っているのかな。

場面は再び石丸家へ。

すずかけの散歩道 1959 25 津島恵子 賀原夏子

庭の手入れをする石丸夫人と、その妹高畠信子(津島恵子)。信子は不足のない暮らしをしているが、日々の張り合いがなくてつまらないという。

すずかけの散歩道 1959 29 笠智衆 津島恵子

すずかけの散歩道 1959 30 津島恵子 賀原夏子

津島恵子を見たくて見たんだけど、ちょっとヘアメイクが…。もっと若々しく、溌剌とした感じにしてもよかったんでは。いや十分、綺麗なんだけど!でも実際まだ若い(当時32歳)のに、前髪の短いパーマ部分とか、しっとり感の強い肌がなんかもったいないと思った。流行りのせいかな。

すずかけの散歩道 1959 31 山田真二 多川譲二

春雄が勉強してる横で、三姉妹(素子、信子、久美子)の美しさについて語る村瀬。信子が一番美人だな、ですって。家庭教師楽しそうです。春雄の部屋も部屋が真四角じゃなかったり、自分の描いた絵を飾ってたり、雑然としてるのに明るい感じが素敵。

すずかけの散歩道 1959 32 杉葉子

ある時久美子の勤め先に訪ねてきた信子を、岩本は少し驚いたように見つめる。実は野呂の亡くなった妻に信子がそっくりで、久美子に姉として紹介された信子を見て野呂の目にも一瞬動揺したような色が走る。
…伏線かと思うよね。それが、伏線じゃないんだよね。このシーン、何だったんだろ…w

すずかけの散歩道 1959 35 司葉子 津島恵子 森雅之

野呂「この人がこういう仕事でだんだん中性的になっていくことは、客観的に見ると悲しいことなんですがね」
久美子「じゃ主観的に見ると」
野呂「そりゃあ議論の余地ないね。男性は生き生きとした花に取り囲まれてる方が、有難いに決まってるもの」

この映画のこういうテンポの良いやりとりが好きです。

すずかけの散歩道 1959 41 司葉子 津島恵子 太刀川洋一

信子「野呂さんて酷い方ね」
久美子「どうして?」
信子「だってあなたのこと花だって。そうするとぼんやり遊んでるあたしなんか、雑草ってわけね」
久美子「そんなに僻まなくってもいいわよ」
信子「ううん、僻みたくなるわ。働いてるあなたがた見てると、つくづく羨ましいなって思うのよ」
久美子「さっきの編集長の話じゃないけど、男の人と対等にやっていくためには、我ながら嫌だなあってこともやるようになるのよ」
信子「でもそれだけ世界が広くなるんだもの。多少のマイナスはあったとしても、プラスの方が大きいと思うな」
久美子「じゃあ、お姉さんも世の中に出てみるのね」
信子「そうなのよ。働きたいのよ。ねえ、あたしにできるような仕事ないかしら」

すずかけの散歩道 1959 44 司葉子 津島恵子 太刀川洋一

久美子「そうねえ。どうかしら野崎さん」
野崎「ん?まあないだろうなあ」
信子「えっ?」
野崎「第一、有閑マダムの暇潰しや小遣い稼ぎってのは、あんまり賛成できませんね」
信子「まあ…!」
久美子「怒っちゃ駄目」
信子「だって…」
久美子「これぐらいの毒舌にカッとなるようじゃ、世の中出て働けやしないわ。(ちらと野崎を見て)もっとも、ジャーナリストってのは特別意地の悪いのが多いけど?」

すずかけの散歩道 1959 49 津島恵子

信子ってなんかあんまり…と思いつつ、自分は答えず野崎に振るあたり(きっと現実的なことを言うとわかっているだろうに)久美子もなかなかだよなと思う。

ところでなんだか憂い顔の岩本さん。

すずかけの散歩道 1959 51 杉葉子

すずかけの散歩道 1959 52 杉葉子

すずかけの散歩道 1959 54 杉葉子

実は岩本さんは野呂に片思いしていて、でもそれを積極的にアピールしたりはせずにいて、少しずつ久美子と野呂が近付いていくのを見ているだけなのです。でも全然じっとりした雰囲気はないの。岩本さん、かっこいいし美人だし、いい人だし、好き。ていうか杉さんが好きwあれ、今気が付いたけど岩本さん左手の薬指に指輪してる。当時は特に深い意味はなかったりするんだろうか。

すずかけの散歩道 1959 60 笠智衆 賀原夏子 多川譲二 星由里子

石丸家ではまた春雄がガールフレンドとのことを赤裸々に語っている。一緒にいるところを不良に絡まれて、殴られてしまった話。

春雄「ここんとこにガツンと一発くらったんだ」
恵子「アッパーカットね」
素子「まあ危ない」
春雄「そしたら葉村くん僕を抱き起こしてさ、おでこのとこへキスするんだ」
恵子「うわあ~クラクラしちゃうな!」
春雄「その時僕は、まるで電気にかかったみたいにね、全身ブルンとしちゃって、ひっぱたかれたよりキスされた方がショックだったよ」
素子「春雄!いいかげんになさい」
春雄「だって本当のことなんだよ」
素子「いくら本当のことだって…ねえお父さん」
市郎「うん、まあね、公然とキスの話をするのは、日本の実情から言うと、少し早いようだと、お母さんは言ってるんだ」
素子「お父さん。お母さんは言ってるんだ、なんて。お父さんはそうは思わないんですか?」
市郎「いやあ…」
春雄+恵子「(さっと席を立って)ごちそうさまー!」
市郎「キスそのものよりも、どんな事実でも、ありのまま、家の中で言えるっていうのは、いいことだよ」
素子「でも…キスですからね」
市郎「春雄や恵子に、そう教育したのは、僕たちなんだからね。いいことなんだよ。いろいろ、経験しながら子供たちは大きくなっていくんだ。あれで、いいんだよ」

市郎のゆったりとした教育観に不服そうな妻。でもこの妻素子もなんか憎めないのよね。

すずかけの散歩道 1959 63 星由里子

ある日、帰宅する妹惠子。すごい可愛くない?このコーディネート。しかし持っているラケットが謎。木枠で四角い。

すずかけの散歩道 1959 65 星由里子 賀原夏子 山田真二

恵子は、リビングで母が村瀬に春雄のガールフレンドのことを相談しているのを聞いてしまう。どんな子か偵察してきてほしいと。

すずかけの散歩道 1959 73 笠智衆 賀原夏子

素子は悪気がないのでそのまま夫に報告して、かえって怒られるの図。

久美子はある日、野呂から出張中の留守宅に時々顔を出してくれないかと頼まれる。子供たちが久美子に懐いていて、ぜひ来てほしいと言っているからと。

すずかけの散歩道 1959 77 司葉子

野呂にとって自分が特別であることの証明だと受け取って、幸せそうに微笑む久美子。

すずかけの散歩道 1959 78 司葉子 賀原夏子

野呂は時々でいいからと言っていたのに、うきうきと泊まり込みの準備。押しかけ女房…?ベッドが二つあるのは恵子との二人部屋だからなんだけど、この部屋も素敵です。旅行鞄の赤、ベッドカバーの赤、壁に飾った写真の赤、本棚の背表紙の赤、椅子の背もたれの赤、そして久美子のベルトの赤…。

すずかけの散歩道 1959 79 司葉子 長岡輝子

早速野呂宅でお給仕をする久美子。子供たちは久美子におおはしゃぎで、野呂の母も久美子に感謝しきり。

その頃、列車でなんとなく考え込むような野呂。

すずかけの散歩道 1959 81 森雅之

すずかけの散歩道 1959 82 森雅之

美中年すなあ。

すずかけの散歩道 1959 87 杉葉子

野呂の名前は出さないが、心に定めた人がいると打ち明けた久美子の言葉に驚く岩本さん。久美子…岩本さんの気持ちに気付いてないわけでもあるまいに。

ところで石丸家の春雄ガールフレンド問題、久美子と野呂の社内恋愛、のほかにもう一つ事件があって、なんと、野崎と信子が、ちょっと親密な関係になっていたのだー!いつのまに!?ていうかお互い、どこがいいの??つきせぬ疑問。でまあそれに、自身の洋品店の一部をアクセサリー売り場にして信子に貸すことになっていた野崎の妹(青山京子)が気付き、信子を詰問。

すずかけの散歩道 1959 88 津島恵子

信子、付き合いをやめるように言われて憤慨。そして言い返す。「あなたお兄さんを取られるような気持ちがして悔しいんじゃありません?」えーっ。ていうかあなた人妻ですけど…。子供もいますけど…。

すずかけの散歩道 1959 89 青山京子

しかし妹、そんなことを言われるとそんな気がしてしまったのか「そうかも…」いやいやいやいや。ていうか野崎と信子、付き合ってんの?信子は最初「そんなんじゃ…」という反応だったのに、もう会うなと言われて「そんなことできません」とか。しかもこの言い合いの後、野崎の後を追いかけるように道に出て、二人落ち合って仲良く歩いていく。うわー…。

久美子の方はというと、野呂が出張から戻ってきて野呂宅のお世話係も終えて、すっかり恋人確定気分。

すずかけの散歩道 1959 92 司葉子 杉葉子

岩本さんは失恋ということになるわけだが、少し切なく微笑むだけで、恨みごとを言ったりはしない。

すずかけの散歩道 1959 94 司葉子 杉葉子

すずかけの散歩道 1959 95 司葉子 杉葉子

岩本さんは友人の恋の成就を真心から祝っている感じ。久美子は勝ち誇ったような顔はしないが、「選ばれた」喜びに幸せそう。岩本さん、人間ができているなあ…。

すずかけの散歩道 1959 98 森雅之

すずかけの散歩道 1959 99 司葉子

その後岩本さんと別れた久美子が、ホテルのバーで一人飲んでいる野呂に会いに来る。

すずかけの散歩道 1959 102 森雅之

すずかけの散歩道 1959 105 司葉子

すずかけの散歩道 1959 106 森雅之

すずかけの散歩道 1959 110 森雅之 司葉子

愛を告白してきた久美子に、すぐには答えない野呂。そして傍で踊る別の若いカップルを見て、若い恋人同士のようにはなれないこと、年を取って女の扱いにも慣れた自分だから君も安心するのだと諭して、久美子の求愛を断ってしまう。

すずかけの散歩道 1959 113 森雅之 司葉子

別れ際に「弱虫」と言い放つ久美子。

すずかけの散歩道 1959 115 森雅之

一人で颯爽と帰る久美子を、険しい顔で見送る野呂…。あー…。

また場面が変わり!

すずかけの散歩道 1959 118 笠智衆

キャバレーでの会合に顔を出した市郎が、席に案内されるその通りすがりに…

すずかけの散歩道 1959 119 津島恵子 太刀川洋一

野崎と信子の逢引きを目撃してしまう。あーあ。さっそく家族会議に発展。

すずかけの散歩道 1959 127 笠智衆 津島恵子 賀原夏子

市郎「本当に、あんたが、野崎君を愛していて、やっていける自信があるんなら、そうすることもいいじゃないか。年の一つ二つ下ぐらい、何も問題じゃないと思うんだ」
素子「いいえ問題ですよ。大体高畠が、箸にも棒にもかからない、下らない男だったら、まあそりゃあ家庭を捨てて出ていくってことも考えられますけどねえ。高畠との暮らしだって、まあまあ世間並じゃありませんか。いいえ世間並以上ですよ」
市郎「しかしね、信子さんは、その家庭が嫌になったと言うから、仕方がないじゃないか」
素子「そりゃあ信子の我儘っていうもんですよ」
市郎「いやあそうじゃないんだよ。信子さんがはっきり、自分の立場というものを意識した、つまり、自我の目覚めたことによって、起こった問題なんだから。傍でとやかく言ったって始まらないと僕は思うんだよ」

市郎は信子を叱るのではなく、信子の意思で道を選択するようにと説く。

すずかけの散歩道 1959 128 笠智衆 津島恵子

素子「自我だとか何だとかって…よくもあなたってそんな冷たいことがおっしゃれるのね」
市郎「いや、冷たいんじゃないよ。問題をそういうふうに考えていかなければ、解決しないと思うから、僕は…」
素子「いいえ、あなたには信子は他人でしょうけど、あたしには血を分けた姉妹ですからね。問題問題って、学問の問題と違うんですよ」

すずかけの散歩道 1959 129 笠智衆 津島恵子 賀原夏子

市郎「誰も、学問の問題だなんて言ってやしない。あくまで、恋愛事件として、問題にしてる」
素子「恋愛事件…!あなたはいつでもこういうことには甘過ぎるんですよ!春雄の時だって、キスしても何でもないなんて」
市郎「もちろん春雄のことだって、本質的には同じだが、結論から言えば、この問題は全て、この信子さんの自由意思にまかせるべきなんだ」
素子「いいえ、そうじゃありません!」

すずかけの散歩道 1959 130 司葉子 笠智衆 津島恵子 賀原夏子

久美子「賛成よ」
素子「ねえ久美子、そうでしょ?この人は信子とは他人だから」
久美子「ううん、あたしはお義兄さんの説に賛成よ。何もかも信子姉さんの意志に従うべきだと思うわ」
素子「あんたまで…」
久美子「ねえお姉さん。何もかも、信子姉さんが決めるべきよ」
素子「久美子!」
市郎「素子」
久美子「どうなのよ。ねえお姉さん」

それでも何も言わない信子。

すずかけの散歩道 1959 132 司葉子

勤務中、隣の席で野崎と信子が逢引きの約束をしているのに聞き耳を立てる久美子。

すずかけの散歩道 1959 134 司葉子 太刀川洋一

野崎を呼び出して、二人の間柄をどうするかは信子の意思に任せてほしいと告げる。信子の意思で野崎を選ぶのなら、自分は応援するとも。

すずかけの散歩道 1959 138 津島恵子

そして約束の時間、野崎が待つ喫茶店に到着した信子は…何度も行ったり来たりを繰り返し、窓から野崎が自分を待つ様子を覗いたりもするが、最後は思いを決めたように踵を返し、スタスタと立ち去る。

すずかけの散歩道 1959 140 太刀川洋一

祈る思いで信子を待っていた野崎だったが、時計を見て、とうとう諦める。

すずかけの散歩道 1959 142 司葉子 杉葉子 太刀川洋一

戻ってきた野崎は、隣の久美子に「諦めるのが本当なのかも知れない」と書いて寄越す。そりゃそうだろ。どうでもいいが後ろでラーメン食ってるのが妙に旨そうです。そして手前で煙草吸いながら囲碁やってるおばさまかっこいい。

すずかけの散歩道 1959 145 司葉子

とりあえずこれで二つの恋はどちらも破綻に終わり、場面はまた石丸家へ。素子がまた村瀬に春雄の相談をしている。

素子「この頃は、葉村ユリ子さんとは別な女の子と付き合ってるらしいんですよ。それでね…」
村瀬「ちょっとお待ちください。もうそういう役目ははっきりお断りします」
素子「え?」
村瀬「奥さんは春雄くんをもう少し信用なさって大丈夫です」
素子「だって…」
村瀬「百聞は一見に如かず。一度、河原へいらっしゃいませんか」
素子「河原へ?」
村瀬「ええ」

すずかけの散歩道 1959 149 笠智衆 賀原夏子 星由里子 山田真二

恵子「わあ~描いてる描いてる!」
素子「まあ…。でも、葉村ユリ子さんてどの子かしら」
市郎「どれだっていいじゃないか」
素子「そうはいきませんよ」
恵子「あははは」

すずかけの散歩道 1959 150 笠智衆 賀原夏子 星由里子 山田真二

彼らの付き合いが健全なものであると、実際に目で確かめさせた村瀬。いい先生じゃないか。

そして物語はラストシーンへ。出版社の屋上に、久美子、村瀬、野崎、岩本が集まる。

すずかけの散歩道 1959 151 司葉子 杉葉子 太刀川洋一 山田真二

野崎「よくまあ四人も振られた奴が揃いやがったなあ」
久美子「へんなこと言わないでよ」
村瀬「それに、僕はまだ振られたわけじゃないからな。そうでしょ香月さん」
久美子「あつかましいのね」
村瀬「男は何度でも勝負する!」
岩本「女は何度でも失恋する!」
皆「あはははは」

あはははは…。

えっと、この話、面白い?正直かなり微妙。石丸家のホームドラマと、男やもめの上司とキャリアウーマンの恋と、人妻と年下の皮肉男の恋、それぞれ一つずつでお話作ればいいのに…と思った。ホームドラマだけならおもしろいのに、久美子の恋も信子の恋も後味悪いっていうかモヤモヤしちゃうんだよな。特に信子は、結局有閑マダムの小遣い稼ぎも始める前にやめてしまって(しかし費用だけはかかっている。しかもスポンサーは旦那)最後まで自分の気持ちを何も語らず家に戻るし。なんか全然カタルシスのないドラマ。原作もこんなんなのかな。石坂洋次郎だからなあ…。

ただやはり司葉子は美しくて、演技もさすがでした。

すずかけの散歩道 1959 68 司葉子

すずかけの散歩道 1959 70 司葉子 重山規子

すずかけの散歩道 1959 74 司葉子 山田真二

出版社の階下にでもあるのか何度も登場するこの喫茶店(店名は『DIZZINESS でいぢにす』で”めまい”の意)も、おしゃれで素敵。赤いカップも可愛い。全体的に赤をアクセントに使ってるよね。恵子のジャケットといい、市郎の部屋の壁といい。

すずかけの散歩道 1959 122 司葉子

野呂に振られた夜の久美子。ベッドの中で涙を流すんだけど、どことなく清々しい表情。翌日からは全く吹っ切った表情で野呂と接していた。さすがアプレ。

すずかけの散歩道 1959 152

最後は都心の遠景でエンド。排ガスで煙っているような都会の佇まいがノスタルジック。
コメント
はじめまして
いつも楽しく拝見しています。
昔の日本映画、特に家やお店のインテリアを見るのが好きで見ています。
喫茶店の場面、コーヒーカップの形、傍らに置かれたミルクポット、灰皿にも赤が効いていてホントにお洒落ですね。
以前はせっせとCS放送をチェックしては見ていたのですが、某小悪魔的スケーターさんのおかげで色々と・・・(笑)
こちらの記事を拝見しては、シーズンオフくらい映画を見ねば!と思う日々です。
素敵な映画の御紹介と某スケーターさんへの愛情いっぱいのお話し、本当に楽しませていただいております。ありがとうございます!!
Re: はじめまして
しずくさま


こんにちは!はじめまして。
このつるんとした赤白のカップ、本当に可愛いですよね。灰皿も珍しい形で同じ赤白で。
他の小物もお店やお部屋のインテリアも素敵ですし、出版社の紙(しかも変色してる)に埋もれたデスクもいいなあと思います。
当時最先端のおしゃれな小道具もあり、和室での配膳の様子などもあり、物語の筋とは別に、そういうところを見るのもとても楽しいです。
私もシーズン中は某小悪魔さんのおかげでwなかなか映画を見られなくなっちゃうので、今の間に溜まっているものを計画的に見ようとしています笑
コメントどうもありがとうございました♫


つゆこ

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